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足にギプス、ベンチから指示 大差ついても声張り上げた

朝日新聞デジタル - 7月12日(金) 8時55分

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(朝日新聞デジタル)

 新たな歴史へ、プレーボール——。第101回全国高校野球選手権山形大会(朝日新聞社、山形県高野連主催)が11日、開幕した。48チームの頂点をかけて、24日の決勝まで熱戦が続く。
 12日は4球場で1回戦8試合を予定しているが、午前中は雨との予報から、県高野連は第1試合の開始時刻を午前11時半に繰り下げることを決めた。
■足にギプス 仲間を鼓舞 北村山 樋渡唯翔選手
 相手の打球が、また味方の外野手の頭上を越えていく。点差がさらに開く。
 「蒼太、頼んだぞ」「欣也なら打てる」——。大差がついても、右足をギプスで固めた樋渡唯翔選手(3年)が北村山のベンチから声を張り上げた。1年生と助っ人部員が中心のチームを最後まで盛り上げ、指示を送り続けた。
 昨夏に上級生が引退すると、チームは樋渡選手と高橋欣也主将(3年)、加藤蒼太選手(3年)の3人だけに。実戦練習ができない中、「個性を伸ばそう」と打撃や走塁などの練習に取り組んだ。冬場は毎日、暗くなるまで練習場の雪かきをして過ごした。迎えた今年の春、1年生6人の入部で、選手9人がそろった。
 だが抽選会の数日後、樋渡選手は走塁練習中に足首を骨折。「3人の集大成」と考えていた夏。悔しさやショックでふさぎこんだ。
 前を向かせてくれたのは、高橋主将や加藤選手の言葉だった。「代わりに俺らが倒してくる」「お前はベンチから盛り上げてくれ」。自分にできることを最後までやろうと決めた。
 助っ人部員として加わった柿崎祐太選手(3年)にゴロのさばき方や、中継プレーの動きを教え込んだ。遊撃手として出場した柿崎選手は、失策もなく落ち着いた守備を見せた。
 入学時から一緒に野球を続けてきた2人と夏のグラウンドに立つことはかなわなかったが、「一緒に戦うことはできた」と樋渡選手。帰りのバスで2人にこう伝えるつもりだ。
 「3年間、ありがとう」(西田理人)

 

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