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核なき世界は近づいている? 被爆者の半数以上が否定的

朝日新聞デジタル - 8月2日(日) 10時0分

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(朝日新聞デジタル)

 広島と長崎に原爆が投下されてから、この夏で75年になります。朝日新聞は被爆60年にあたる2005年から今年まで5年ごとに、被爆者の方々にアンケートを依頼し、体験や思いを記事にしてきました。過去4回のアンケートすべてに答えてくれたのは155人。その方々に、次世代や世界へ伝えたいことを聞きました。
 1945年8月6日、米軍が広島に原爆を投下し、その3日後には長崎にも落としました。この年に両市で合わせて約21万4千人が死亡したとされています。
 被爆者の苦しみは、それで終わりません。目に見えない放射線の影響で病気になるなど、被害は今も続いています。
 54年に水爆の実験で日本の漁船が被曝(ひばく)したことをきっかけに反核兵器運動が盛り上がり、56年には被爆者の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会」(日本被団協)が設立されました。被爆者への援護を日本政府に求めたり、国内外で反核を訴えたりするなど活動を続けています。
 核兵器はアメリカと旧ソ連による冷戦下のピーク時に比べれば減りましたが、現在も世界に1万3千発以上あります。
 2009年に米国のオバマ大統領(当時)が「核なき世界をめざす」と演説するなど、核兵器廃絶の機運が盛り上がったものの、核兵器を大量に持っている米国とロシアの間で中距離核戦力(INF)全廃条約が失効するなど、核兵器廃絶の行方は厳しい情勢といえます。
■ずっと行く末を案じる被爆者
 今回の朝日新聞の被爆者アンケートでは、「核兵器は廃絶される方向にあるか」という質問に全回答者768人の55・6%が「ない」と答え、「ある」の14・2%を大きく引き離しました。これまでのアンケートで、この質問をしたのは今回で3回目。毎回答えている155人の回答を見ても、ほぼ同様の傾向です。高齢化が進む中、被爆者がずっと行く末を案じていることがわかります。
 日本は戦争で原爆を投下された唯一の国です。日本政府の姿勢について、「核兵器廃絶に積極的だと思うか」と、2回連続でききました。毎回回答の155人をみると、今回「思わない」と答えた人は5年前より増え、8割を超えました。
 2017年7月には核兵器禁止条約が国連で採択されましたが、日本政府は背を向けたままです。「唯一の被爆国である日本が条約を批准しないなど考えられない」などという意見もありました。
 核兵器を取り巻く情勢は明るくありません。それでも、被爆者からは「命ある限り伝えていかねば」という声が複数ありました。その思いを受け止めて、どう伝えていくか。これからますます重要になってくる課題です。
     ◇
 約4万人を対象とした05年のアンケートには、1万3204人が回答。10年はその回答者のうち1520人を対象にし、1006人が回答しました。被爆70年にあたる前回は、約2万2千人のうち5762人から回答を得ました。今回は、前回の回答者のうち2069人に送り、768人から有効回答を得ました。(大隈崇)

 

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