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ロールパン、のど詰まらせた男性 水を吸うと一切れでも

朝日新聞デジタル - 11月9日(金) 13時56分

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(朝日新聞デジタル)

 食べ物を気管やのどに詰まらせてしまう誤嚥(ごえん)や窒息の事故が介護施設で目立っている。加齢とともにのみ込む力は衰えてくるもの。いかに防ぐかの模索が介護現場で続く。
 鹿児島県内の介護老人保健施設で4年前、2泊3日のショートステイで入所していた70代後半の男性が、朝食でロールパンなどを食べた後にむせた。約1時間後、男性は心肺停止状態に。のどからパンのかたまりが取り除かれたが、低酸素脳症に陥った。意識が戻らず、重い障害が残った。
 男性の家族らは施設側に損害賠償を求めて提訴。昨年3月、鹿児島地裁は「施設側は誤嚥のリスクを認識しており、パンを提供するにも小さくちぎって出す必要があった」として原告側の請求をほぼ認め、施設側に計約4千万円の支払いを命じた。施設側は福岡高裁宮崎支部に控訴したが、和解した。
 パンは一切れであっても、口に含むと水を吸って大きく重くなるため、食べ物をのみ下す嚥下機能が弱い人には危険だとされる。一審判決によると、家族は事前に施設側に「誤嚥を起こしやすいので、おにぎりを一口大(10分割)にしてほしい」と伝えており、施設の複数の記録にもその記載が残っていた。
 誤嚥や窒息は、死に直結する危険性が指摘されている。朝日新聞は、政令指定市と県庁所在市、東京23区の74自治体に、介護事業所で発生した死亡事故について情報公開請求した。公開された施設作成の報告書(2016年度)を集計すると、年間の死亡事故は700件。うち最多の403件を誤嚥(食べ物などと一緒に細菌が気道に入って発症する誤嚥性肺炎〈30件〉を含む)・窒息の関連が占めた。
 詰まらせた「もの」が報告書に具体的に記されているケースのうち、最も多かったのが「嘔吐物(おうとぶつ)」の37件。食べ物では、パンを詰まらせたのが28件で目立った。

 

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