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最強の武道家はだれだ?!~東京オリンピックを巡る妄想ストリートファイト~

Discovery Channel - 8月20日(火)

2020年東京オリンピック開催に向けていよいよ気運が高まってきている。

ふだんから鍛錬しているアスリートたちはもちろんのこと、もっぱら観戦がメインの脳内アスリートたちも、スポーツの奥深さと美しさを堪能できる特別な祭典があと一年そこそこで東京へやってくるのだ。

伝統的な市松模様を取り入れたロゴマークや、オリンピック招致の際話題になった滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」スピーチに凝縮された真心の精神など、日本文化を世界に広く知らしめるチャンスとしても注目されている。

折しもこの大会を機に新しく競技として加わるのが空手だ。56年前に開催された1964年東京オリンピックでは柔道が新競技として加わった経緯があるだけに、今回ふたつめの日本武道が競技として選ばれたことは喜ばしい。

もちろん、オリンピック競技としての柔道と空手はあくまでスポーツ。一定のルールに従って行われる競技である以上、「戦闘力」は勝者に求められる要素のひとつでしかない。

それでも、世界一を決めるオリンピック競技で柔道や空手の試合を観戦できるとなると、こう妄想せずにはいられない。

もしも柔道家と空手家が戦ったら、どちらが強いのだろうか?

武道家のストリートファイト

空手道、柔道、弓道、剣道、合気道…。それぞれ日本古来の歴史と伝統を持つ日本武道は、それぞれに最強と言われるだけの理由がある。

Credit: geralt / Pixabay

仮に、妄想ストリートファイトで空手家と柔道家が闘ったとしたらどうだろう。寝技に持ち込まれた空手家に勝ち目はないのかもしれないし、逆に、先手の一撃で強烈な手刀を浴びせた空手家が圧勝するかもしれない。ほかの日本武道ではどうだろうか。

当然、木刀や竹刀という武器を手にした剣道家が最強だという人がいるかもしれない。しかし合気道家は武器を持たずとも、襲いかかってくる相手の力を利用して剣士を刀もろともひっくり返す技を持ち合わせている。

もしくは28メートル先の的を射抜く弓道家が断然有利だ、という人がいるかもしれない。けれども、優れた武道家が発する「氣」または「合気」は、物理的な距離を超越して狙った相手の動きを封じるとも言われている。

Credit: anaterate / Pixabay

それとも、ひょっとしたら鍛え抜かれた相撲力士が繰り出す張り手が最強なのかもしれない。

まずはコテンパンにやられる

『最強の武道とは何か』。

ドンピシャなタイトルどおり、空手家・元K-1選手のニコラス・ペタス氏は身一つの武者修行に出て沖縄空手・柔道・相撲・合気道・剣道・弓道を体験しつつ、それぞれの強さについて合理的な考察を重ねた本を書いた。しかし、どの武道が一番強いかという問いに対しては、強引な結論に至っていない。

最終的には「どの武道が一番強いか」ではなく、むしろ「どういう人が真に強いのか」という問いに焦点を当てたうえで、武道の究極の目的とは心を鍛えることだと説いている。

その点、本山賢司氏は著書『剣豪という生き方』の冒頭で、剣豪と呼ばれた人たちの人生が驚くほどよく似ていたと指摘している。

いわく、

“ 幼少から剣術をはじめ、体躯にめぐまれ、近隣に敵なしとなるが、旅の武芸者と仕合してコテンパンに負けて弟子入りをする。

そして免許を皆伝するが、さらに剣術の修行をつづけ、山、あるいは神社に参籠して信託を得る。

それを機に一流をおこし、弟子を取り、晩年はひとかどの人物となるが、謎のままその生涯を終える、というものだ。”

ほんとうに強い人は、闘うことの激しさとそれに伴う痛みを知っているからこそ、人としての道を極めている。そして人として優れているからこそ強いのだ、とペタス氏も本山氏も結んでいる。

強靭なメンタルを磨く

もうひとつ。武道家には「いつ死んでもいい」という覚悟があるからこそ、強い。
真剣勝負、と今は生ぬるい使われ方をしている言葉ではあるが、昔はまさに生きるか死ぬかの瀬戸際だった。刀と刀の勝負に失敗したら、手が切り離されたり、脚を失ったり、最悪の場合脳天をかち割られて帰らぬ人となっただろう。

どんな勝負も命がけだったし、逆に言えば「今」この瞬間はやり直しがきかない。このギリギリの緊張感こそが人を強くする。

Credit: Gellinger / Pixabay

そういう意味では剣豪もオリンピック選手も同じなのかもしれない。強いメンタルを持って常に自分の限界に挑み続ける——。そんな熱い戦いから、きっと目が離せなくなるだろう。

山田ちとら
*Discovery認定コントリビューター
日英バイリンガルライター。主に自然科学系の記事を執筆するかたわら、幅広いテーマの取材とインタビューにも挑戦している。人生の折り返し地点を過ぎてから剣道の魅力にハマり、子どもと一緒に道場へ通う日々。
https://chitrayamada.com/

(2019/08/20)
 

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