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20年で6割も減っている!スズメが姿を消しているわけとその影響

Discovery Channel - 5月10日(金)

日本人にとってなじみの深い鳥、スズメ。実は、近年その数が急速に減っていることをご存じだろうか。

公益財団法人、山階(やましな)鳥類研究所の調査によると、1987年から2008年までのおよそ20年間でスズメの個体数は6割も減っていることがわかった。これは日本に限った話ではなく、ヨーロッパやインドでもスズメは減っているのだ。英国王立鳥類保護協会によれば、1994年から10年間でロンドンのスズメの数は60%も減少したことが明らかになっている。

なぜここまでスズメがその数を減らしているのだろうか。

同協会はスズメの餌である昆虫の不足を原因の一つにあげている。

調査を指揮したウィル・ピーチ博士によると、都市部ではレイランドヒノキなどの観賞用植物の人気や、駐車場の舗装や樹木の撤去により昆虫が減っていて、スズメのヒナの生存率が低下しているという。

これは日本でも同様で、NPO法人バードリサーチの調査によると、親スズメが連れている子スズメの数は農村地の2.03羽、住宅地の1.79羽に対し、商業地では1.41羽と、都市部ではスズメの「少子化」が進んでいるのだ。

また、学術誌「Frontiers in Ecology and Evolution」に掲載された研究によると、産業廃棄物による環境汚染が都会に住むスズメたちにストレスを与え、免疫力を低下させていることも原因だという。

さらに巣を作れる場所が減ったことも影響しているようだ。

スズメは天敵から身を隠せるような隙間に巣を作る。かつての民家は屋根瓦や軒下に手頃な隙間があったが、近年の建物は隙間がなく巣を作る場所が無くなっているのだ。

ここまでスズメが減った原因について述べてきたが、ではスズメが減ることで私たちに何か影響はあるのだろうか。

一番影響を受けるのは米農家かもしれない。米農家にとってスズメは収穫前の麦や稲などを食い荒らす害鳥で、昔からカカシを立てたり、大きな音を鳴らして追い払ってきた。

しかし一方で、田んぼや畑の作物に被害を与える虫を食べてくれる益鳥(えきちょう)でもあるため、米農家とスズメは持ちつ持たれつの関係にあるのだ。

また、中国では1955年に”農作物を食い荒らすスズメを駆除しよう”という運動が行われ、大量のスズメを駆除した結果、ハエやイナゴが大量発生し農作物が壊滅的なダメージを受けたこともある。

スズメに限った話ではないが、どんな生き物も食物連鎖で繋がっている。中国での話は生態系が乱れると思わぬところで被害が出るということを改めて浮き彫りにさせたといえるだろう。

スズメが減っているということは、私たちの気づかないところで別の生き物も減っているのかもしれない。なによりも、身近な存在であるスズメがある日を境に見られなくなるというのは、余りにも寂しいのではないだろうか。

(2019/05/10)
 

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