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海水を飲み水に変える「極細チューブ」 東京大学が開発

朝日新聞デジタル - 5月13日(金) 7時30分

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(朝日新聞デジタル)

 東京大学の研究チームが、塩分は通さず水だけを高速で通す、極細チューブを開発した。こげつかないフライパンのように、フッ素で内側が覆われているのが特徴だ。海水を淡水化し、飲み水などに変える次世代の水処理技術に役立つ可能性がある。13日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 東大の相田卓三教授や伊藤喜光准教授らはまず、フッ素を含む有機化合物で、小さなリング状の分子を合成した。このリングをいくつも重ねることで、内側の穴の直径が0・9ナノメートル(ナノは10億分の1)という極細のチューブを作った。
 チューブは、内側がフッ素で密に覆われている。フッ素はマイナスの電気を帯びていて、同じようにマイナスの電気を帯びている海水中の塩分(塩化物イオン)と反発し合うため、塩分は通り抜けられない。そのため海水を淡水化できるという。
 人間の細胞には水だけを効率よく通すたんぱく質「アクアポリン」があるが、チューブはアクアポリンに比べて4500倍の速度で水を通すこともわかった。海水淡水化装置はすでに実用化されているが、装置の高効率化への応用が期待される。
 海水の淡水化は持続可能な社会にとって重要だ。国連の持続可能な開発目標(SDGs)でも、だれもが安全に水を飲めるようにしたり、水不足などの問題を解決したりすること(目標6)が挙げられている。
 相田教授は「世界の水資源のうち、人が使いやすい河川などにある淡水は全体の0・01%しかなく、ほとんどは海水だ。今回の発見で高効率な淡水化に貢献したい」と話す。
 研究成果は科学誌のサイトで発表(https://doi.org/10.1126/science.abd0966)された。

 

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