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プラ添加剤汚染広がる 世界の半数の海鳥から成分検出 国際チーム

朝日新聞デジタル - 10月11日(月) 15時0分

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(朝日新聞デジタル)

 日米などの国際研究チームが世界16カ所で海鳥145匹を調べたところ、半数以上の76匹の体内から、プラスチックの耐久性を高めるために加えられた添加剤の成分が見つかった。一部の添加剤は生物の免疫などに影響することが指摘されており、研究チームはプラスチックごみの削減や無害な添加剤への転換を訴えている。
 プラスチック製品には、燃えにくくする臭素系難燃剤や、日光による劣化を防ぐ紫外線吸収剤が添加される。こうした添加剤は分解されず、海鳥の体内にたまることが飼育実験でわかっていたが、汚染がどのくらい広がっているのかは不明だった。
 そこで、日本のほかアメリカ、オーストラリア、南アフリカなど国内外18大学・研究機関が共同で、北極や南極、赤道などで海鳥32種を調べることにした。鳥を傷つけないよう、海鳥が尾羽の付け根から出し、羽に塗る脂「尾腺ワックス」を調べた。
 すると、52%にあたる76匹の尾腺ワックスから添加剤が見つかった。とくにハワイのシロハラミズナギドリやオーストラリアのアカアシミズナギドリなどで添加剤の濃度が高かった。日本では新潟県の粟島でオオミズナギドリ17匹を調べ、うち3匹から低濃度の汚染が見つかった。
 海鳥が食べる魚やエビを通して体内にたまる有害物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)の濃度と比べたところ、今回分析した海鳥の10~30%はプラごみを誤って食べたことで汚染されたとみられるという。
 これまでの研究で、海鳥が誤って食べるプラごみの量と、血中尿酸濃度に関係があることなどがわかっている。東京農工大の高田秀重教授は「紫外線吸収剤はプラスチックに必須な添加剤のため、生物蓄積性と毒性がない添加剤への転換を図ることが必要だ」としたうえで、「それ以上に必要なことは、プラスチックの使用量を減らしていくことと、陸上での廃棄物管理をしっかりすることだ」と指摘した。
 論文は、日本環境化学会の英文誌ウェブサイト(https://doi.org/10.5985/emcr.20210009)で読める。(小堀龍之)

 

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