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医学部の教授会、女性は私だけだった 東北大副学長が後輩に贈る制度

朝日新聞デジタル - 10月11日(月) 9時0分

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(朝日新聞デジタル)

 国内の大学では、理系に進む女子比率が低い状態が続く。東北大学大学院・医学系研究科の教授で、副学長を務める大隅典子さんは約20年にわたり、女性研究者の育成に関わってきた。
 今年5月に「理系女性の人生設計ガイド 自分を生かす仕事と生き方」(講談社、共著)を出すなど、学外でも積極的に発言を続ける。
 「女性の理系進学をいかに促し、好きなことをキャリアとして続けていくにはどうすればいいか、ずっと考えてきました」
■「うちは女性の院生は採りません」と言われ
 自身も東京医科歯科大の大学生の時に「無意識のバイアス」を感じた。大学院に進もうと、ある研究室を訪ねると「うちは女性の大学院生は採りません」と言われた。「女性は結婚、出産、育児でリタイアするので投資するのは無駄だとみなされていました」
 壁にぶつかりながらもキャリアを重ね、1998年に東北大に30代で教授として招かれる。医学部の教授会に出ると、70人ほどのスーツ姿の男性が並ぶ中、女性は自分だけだった。「自分は色んな巡り合わせで恵まれていたのだと分かった」と振り返る。
 課題も見えていた。後輩の女性たちの中に、成績が優秀なのに大学に残る選択をしないケースが散見された。大学では結婚や出産は難しい。そんな印象が広がったのかも、と感じた。
 東北大に移ると、総長特別補佐などの立場で、同僚たちと女性研究者が増えるためのアイデアを練った。ユニークなのは2006年度に始めた「サイエンス・エンジェル」(SA)という制度。女子大学院生たちが高校などへの出張セミナーや科学イベントを通じ、理系の楽しさを伝えている。
■「女性が理系に行ってどうするの」根強い否定
 大学進学で理系を志望しても、保護者らから「女性が理系に行ってどうするの」「就職先ないでしょ」と否定的な発言をされることがあるという。「こうしたイメージを払拭(ふっしょく)するためにSAは頑張っている」と話す。
 さらに研究と育児・介護などを両立できるよう、学内に保育施設を設けたり、ベビーシッター利用料の補助を始めたりした。女性リーダーを育てるために研究費を支援する制度も整えた。
 学内の教員(助教・助手含む)の女性比率は90年代前半、4%台だったが、現在は2割近くを占める。博士課程(後期)の女性の割合も3割に達し、30年ほどで5倍以上になった。
 「それでも世界の大学を見回すと、高い数字とはいえない。女性の教員比率3割を早期に達成したい」と意気込む。(高橋昌宏)

 

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