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夢の内容はコントロールできる?なぜすぐに忘れる?誰もが寝ているときに見る「夢」の不思議な仕組み

Discovery Channel - 3月12日(火)

人は眠っている間に夢を見る。

それは楽しいものだったり、不思議なものだったり、怖いものだったりとさまざまだ。

多くの人が怖い夢は見たくないと思うだろうし、楽しい夢を見れば目覚めた時も楽しい気分が残っていることもある。

しかし、殺人鬼に追われたり、幽霊と出会ったりなど、自分の意に反して怖い夢を見てしまうことはしばしばある。

もし見る夢を自分で選ぶできたらと思うこともあるだろう。結論から言うとそれは不可能だ。だが、見ている夢をある程度コントロールすることは可能であるようだ。

そんな身近だけど不思議だらけの「夢」とは一体何なのだろう。

 

目次

  • 夢の仕組み
  • 夢に意味はあるのか
  • 夢をすぐ忘れる理由
  • 夢をコントロールする方法
  • 人間以外も夢を見るか?

夢の仕組み

Credit: Sharon McCutcheon on Unsplash

睡眠の段階には、体は休息状態だが脳は活動しているレム睡眠(急速眼球運動睡眠)と、脳が休止しているノンレム睡眠(徐波睡眠)があることは広く知られており、夢はレム睡眠中に見ると言われている。だが、最近の研究ではノンレム睡眠中にも夢を見る場合があることが確認されている。

米ハーバード大学の名誉教授アラン・ホブソンらが1977年に発表した研究によると、レム睡眠の状態になると、外からの情報が脳へ伝わることはないが、記憶に関連する脳の部位は活発に動いているという。その際に、一過性の興奮刺激によって、長期記憶から夢のパーツとなる情報が取り出され、それが合成されることで夢が生成されるのではないかとしている。

ボストン大学の神経科学者パトリック・マクナマラは、睡眠中に見る夢が人の創造性を促進させるかもしれないと語る。長期記憶から取り出された夢のパーツは、通常ではありえない形で再統合することがある。そうすると、現実では存在し得ない世界が創造されるからだ。

 

夢に意味はあるのか

Credit: Creative Commons

ケンブリッジ大学の神経学者ニコラス・ハンフリーは、夢は現実の生活での「遊び」と同じ機能を果たしているのだとLiveScienceに語っている。夢の中では、自分が体験したことがない職種やゲームのキャラクターなどの体験を、安全な仮想環境でシミュレートすることができる。

だが脳生物学的に言ってしまえば、脳の活動の単なる副産物でしかないようだ。

 

夢をすぐ忘れる理由

通常の生活では最近体験したことを忘れることは少ないのに、ほとんどの夢はすぐに忘れてしまう。

豪モナシュ大学の神経科学者トーマス・アンドリヨンによると、人が眠りにつくとき、脳の全てが同時にオフラインになるわけではないという。その中でも記憶をつかさどる海馬は最後に眠りにつくとされ、目が覚めた際は最後に起きるのではないか、とアンドリヨンは述べている。つまり、目を覚まし、夢の世界から帰還したばかりのときは、記憶をつかさどる海馬がまだ目覚めていない状態であるため、夢の内容を記憶に留めることが難しいのではないかとしている。

ハーバード大学医学部の准教授ロバート・スティックゴールドは、就寝前に水を飲むことで夢を記憶する助けになると語る。さらに、ベッドの中で夢を憶えていたいと意識し続けることや、夢を見てすぐに日記につけることが、夢を記憶しておくことに役立つだろうとしている。

 

夢をコントロールする方法

Credit: Creative Commons

2017年に豪アデレード大学の研究チームが、夢を見ているときにそれが夢であると認識できる「明晰夢」の状況を意図的に作り出す方法を発見したと発表した。そうすることで、夢を見ている人自身が、ランダムに生成された夢の世界をある程度コントロールできるというのだ。

「明晰夢(lucid dream)」という用語は、オランダの医師で作家だったフレデリック・ファン・エーデンが1913年に発表した論文「A Studay of Dreams」で初めて使われたものだ。明晰夢に関する最初の記述は古代から残されており、古代ギリシャの哲学者アリストテレス、17世紀の医師トーマス・ブラウン、19世紀のフランスの罪人マリー=ジャン=レオンとサン=ドニ=マーキス=ドレーヴが匿名で出版した本などが、明晰夢についての記述として有名なものだ。

明晰夢の状態を誘発するための研究は多く存在しているが、これまでの成功率は低かった。アデレード大学の研究は、より効果的な明晰夢の誘発を可能とする技術を開発できたとしている。

研究では、MILD(mnemonic induction of lucid dreams)という方法が用いられた。これは、被験者を1日に数回、夢を見ている状態かの確認を行いながら、5時間の睡眠の後に短時間だけ目を覚ましてまた眠りにつかせる。そうすると夢が発生する可能性が高くなるというのだ。

そして、眠りに戻る前に見ていた夢の内容を憶えておき、また睡眠にへと戻る。その際は、自分が夢を見ていたのだと意識しておく。そうすることで、夢の中に戻ってもそれが夢であることを自覚でき、ある程度その内容をコントロールできるようになるのだそうだ。

実験では最終的に、MILD法を使って最初の5分以内に再び眠りについた47人の被験者の中で、46%が明晰夢を見ることに成功している。また、この方法で明晰夢を誘発した場合でも、翌日に睡眠不足などの状態は確認されなかった。MILD法は睡眠の質には影響を及ぼさないことがわかったのである。

蛇足だが、夢を忘れるのは脳の負荷を下げるために不必要な情報を処理するだめだという説がある。本来、夢は記憶しておく必要がないもののようだ。

 

人間以外も夢を見るか?

Credit: freestocks.org on Unsplash

前述のアリストテレスは、馬や犬、羊など人間以外も夢を見るとしている。実際、多くの研究で、人間以外の動物も、睡眠時に人が夢を見ているのと同じ状態になることが確認されている。さらに踏み込んだMITの研究では、人間以外の脳のニューロンからも夢をみていると推測することもできた。

だが、動物たちが「夢をみていた」との主観を述べることがない限りは、動物たちが確実に夢をみていたかはわからないのである。現在のところ、確実に夢を見ていると断言できる生き物は、実は人間しかいないのである。

(2019/03/12)
 

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