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「スマートフォン」はどう進化してきたのか…1992年の「 IBM Simon」コンセプトモデルから、iPhoneや最先端の折りたためる液晶モデルまで

Discovery Channel - 2月1日(金)

アップルのiPhoneやグーグルのAndroid OSが搭載された端末をはじめ、私達がいつも持ち歩く「スマートフォン」。もはや、生活必需品といっても差し支えのない存在となっている。

タッチ操作のものがほとんどだが、ベゼルがほとんどないノッチデザインや高性能カメラを搭載したモデル、高齢者が操作しやすい「らくらくスマートフォン」など、多種多様なデザインや機能を有した端末が販売されている。自分の生活や仕事のスタイルにあったものを選ぶことができるのがスマートフォンの魅力だ。

今では当たり前のものとなったスマートフォンだが、現在の形に落ち着いたのは約10年前だ。それまでに多くの試行錯誤を繰り返し、今の形へとなっていったのだ。

この記事では、世界初のスマートフォンから最新の端末まで、スマートフォンの歴史を紐解いてみよう。

 

スマートフォンとは

スマートフォンとは、オペレーション・システムを搭載し、Webブラウジングやソフトウェアアプリケーションを実行する機能といった、電話と関連しない機能や統合コンピュータを有した携帯電話の総称として使われる。

通話機能のみに特化した携帯電話は「ベーシックフォン」、カメラや通信機能を搭載しつつも通話機能が主体となっている携帯電話は「フィーチャーフォン」と呼ばれる。

 

スマートフォンがなかった時代

 

Image Credit: Wikimedia Commons

 

1990年代は、まだスマートフォンは一般的ではなかった。携帯電話といえばストレート形状やフリップ式のもので、通話やメッセージ機能を中心に使うものだった。

Image Credit: Wikimedia Commons

一方海外では、米アップルコンピューターが1992年に「アップル・ニュートン」を発表。これはスタイラスを利用した手書き認識機能や通信機能を備えた、画期的なモバイルデバイスだった。当時、このような端末はPDA(Personal Digital Assistant)と呼ばれたのである。

アップル・ニュートンは商業的な成功をおさめることができなかったが、米Palmが1997年に発売した「PalmPilot」はビジネスユーザーだけでなく、個人向けにも世界的にヒット。個人用の情報端末という存在が、一般に知られることになる。

 

スマートフォンの誕生

Credit: パブリックドメイン

1992年、ラスベガスで開催されていたコンピュータ関連の展示会「コムデックス(COMDEX)」にて、IBMがタッチスクリーン式の携帯式電話「Simon」のコンセプトモデルを発表した。出展時に「Angler」と呼ばれていたその端末は、電話だけでなく、メールやファックス送信、携帯電話対応サイトの受信機能など、携帯電話とPDAの機能を有していた。1994年夏にはアメリカで一般向けに販売開始された。

この「Simon」が、世界初のスマートフォンであったと言われている。

SImonを開発したのは、当時IBMのエンジニアだったフランク・J・カノーヴァだった。彼は1997年にPalmに移籍しIBMを去ったが、スマートフォンのイノベーターとして今もIBMの歴史に深く刻み込まれている。

携帯電話とPDAのハイブリッド端末は、当初は「コミュニケーター」と呼ばれていたが、1995年にアメリカで発行されたビジネス向けの資料でAT&Tが発表していたスタイラス操作を用いるタブレット端末「PhoneWriter Communicator」に対して初めて「スマートフォン」という総称が仕様されて以降、徐々にではあるが「スマートフォン」と呼ばれる製品が増えていくこととなる。

1999年には、日本のNTTドコモが「iモード」と呼ばれる、独自のモバイルインターネットプラットフォームを展開。携帯向けアプリケーションやオンラインストアなど、現在のスマートフォン向けの機能やサービスを先取りしていたが、様々な規格で独自性を打ち出した影響で日本以外での浸透には至らなかった。このように日本独自の進化を遂げた携帯電話は「ガラパゴスケータイ」と呼ばれることがある。

Image Credit: Wikimedia Commons

2000年代に入ると、市場に存在していたスマートフォンは、フィンランドをベースとするノキアの「Symbianスマートフォン」、RIM(加リサーチ・イン・モーション)の「ブラックベリー」、それに米マイクロソフトの「Windows Mobile」端末が存在した。

この時代のスマートフォンの特徴として、多くの端末が画面下やスライド機構にハードウェア・キーボードを搭載していたことにある。タッチパネルで文字を入力するというアイディアはまだ広くは採用されていなかったのだ。

 

iPhoneが与えた衝撃

 

Image Credit: Wikimedia Commons

そして2007年、アップルから「初代iPhone」が投入されたことで世界は一変した。当時アップルでCEOを務めていたスティーブ・ジョブズによる初代iPhoneの発表プレゼンは、今でも伝説的に語り継がれているほどだ。

当時のジョブズは、モトローラと共同開発した音楽プレイヤー内蔵の携帯電話に不満を感じていた。そこで、開発中であった後の「iPad」となるタブレットコンピューターの技術を元にした携帯電話を自社で開発することとなった。そこから、世界のスマートフォン市場を一変させた「タッチディスプレイ」搭載のスマートフォン「iPhone」が誕生したのである。

初代iPhoneは初めてのスマートフォンではないが、さまざまな意味で画期的な存在だった。タッチ操作以外にも、ハードウェア・キーボードやスタイラスを搭載しない全画面デザインなど、これまでに存在しなかったアプローチが図られていた。このデザインは、現代のスマートフォンでも全く変わらない。

さらに通信機能によりオンラインストアからアプリを追加して拡張できるというiモードと同様の機能も支持された。これによりユーザーの利便性が大幅に改善されただけでなく、アプリ市場という新たなマーケットを開拓した。

また、大画面でインターネットやメールサービスに直接アクセスできるiPhoneのようなスマートフォンが登場してから、フィーチャーフォンの衰退が始まった。スマートフォンこそが、フィーチャーフォンが実現したかった未来だったのだ。

 

iPhoneを追いかけるグーグルとマイクロソフト

 

Image Credit: Wikimedia Commons

 

iPhoneに遅れること1年後、米グーグルのモバイル向けOS「Android OS」を搭載したスマートフォンが登場した。

もともとAndroid OSは、グーグルではなく米Android社が開発したものだ。同社の設立メンバーには、Androidの父とも呼ばれるアンディ・ルービン氏も参加している。そしてAndroid社を2005年に買収したグーグルは、スマートフォン向けOSの開発をスタート。

そして2007年11月に、グーグルは米クアルコムや独Tモバイルと共に、Android OSを発表。2008年10月には、Tモバイルのアメリカ部門から初となる端末「T-Mobile G1」が発売されている。

Android OSの特徴は、端末メーカーが独自にOSをカスタムし、自社製スマートフォンを販売できる点だ。iPhoneはアップルしか開発できないが、Androidスマートフォンは世界中のメーカーが開発・販売できる。なお、現在はどちらのOSもお互いの長所を習い、欠点を補う方向で進化しており、できることに大きな差はない。

一方マイクロソフトは、小型PC用のプラットフォーム「Windows CE」を発展させる形で、モバイル向けOS「Windows Mobile」を2000年にリリース。またWindows Mobileは2010年に「Windows Phone」へと進化し、対応端末がノキアなどから発売された。

Windows MobileとWindows PhoneはiPhoneやAndroidに対抗する第3極として成長することが期待されたが、残念ながらそのシェアは常に低空飛行を続けた。その理由はOSの完成度の低さもさることながら、シェアの低さからサード開発者やアプリを呼び込むことができず、そのためにプラットフォームの使い勝手も悪くなる…という、悪いサイクルが続いていたからである。

2015年にはPC向けOS「Windows 10」とタイミングを同じくして、「Windows 10 Mobile」が登場。こちらも採用メーカーは国内外から数多く登場したものの、シェアの奪還という意味では目的が果たせず、2019年10月にOS自体のサポートの終了が予定されている。PC向けOSで圧倒的なシェアを誇るマイクロソフトにとって、モバイル向けOS市場への参入と撤退は手痛い経験となった。

頭一つ抜けたAndroidスマートフォン

 

Image Credit: Wikimedia Commons

iPhoneとAndroidスマートフォンの開発競争は苛烈を極め、時にはAppleとAndroidメーカーの間で特許紛争が起きることも少なくなかった。しかし結果として、どちらもほぼ同レベルの機能を提供していたのだ。

そのバランスが崩れたのは、2018年に入ってからだろう。iPhoneがその進化を止める一方で、中国メーカーは「トリプルカメラ」や「ディスプレイ指紋認証」など、画期的な機能を投入。写真の撮影品質や使い勝手など、スペックだけでなくユーザビリティでもiPhoneを上回ったのだ。

さらに、韓国サムスンもスマートフォン開発スピードを上げており、中国メーカーにキャッチアップしようとしている。現在のスマートフォン市場は、韓国勢と中国勢によるAndroidスマートフォン同士のシェア争いの様相を呈しているのだ。

 

未来のスマートフォンの姿とは?

 

Image Credit: サムスン

2019年、スマートフォンの姿は大きく変わることになる。上の画像は、サムスンが製品投入を予定している「折りたたみスマートフォン」のコンセプト端末だ。

折りたたみスマートフォンでは、広げればタブレットとして大画面が利用でき、閉じればスマートフォンとしてポケットに入れて持ち運べる。これを可能にしたのは、折り曲げることができる「有機ELディスプレイ」のおかげだ。

スマートフォンはこれまで何度も「進化が止まった」といわれてきたが、メーカーのたゆまぬ技術開発により、今後もさらに進化しようとしてる。まずは今年登場するであろう、折りたたみスマートフォンを楽しみにしたいものだ。

*Discovery認定コントリビューター

IT・宇宙・ドローンジャーナリスト/翻訳ライター。フリーランスとしてドイツを中心にヨーロッパにて活動しつつ、日本でのラジオ出演やテレビ、雑誌での解説も。 @tsukamoto_naoki

(2019/02/01)
 

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