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逃げてきた先で放火や投石… ベネズエラ避難民の苦悩

朝日新聞デジタル - 10月11日(木) 17時48分

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(朝日新聞デジタル)

 年率1千万%……。南米ベネズエラのインフレ率の予想は、もはや想像を絶するほどです。経済は崩壊状態。すでに200万人以上が周りの国に逃げましたが、今度はそこで地元住民とあつれきが起き、行き場を失う人が後を絶ちません。ベネズエラとブラジルの国境の町パカライマで、避難民たちの声に耳を傾けました。(パカライマ=岡田玄)
 世界一の埋蔵量を誇る原油を背景に、ベネズエラのチャベス前政権は貧困層を手厚く支援してきた。
 チャベス前政権は企業や農場を国有化し、食品などを安く統制したため、産業が廃れて物不足が深刻化。チャベス氏の死去に伴う2013年の大統領選で勝利したマドゥロ氏も路線を継承したが、原油価格下落などで経済が悪化。インフレが進んで経済が崩壊した。回復のめどは立っていない。
 マドゥロ政権は今年8月、インフレに対応するため通貨切り下げ(デノミネーション)を実施し、ゼロを5桁削除したが、効果は上がっていない。国際通貨基金(IMF)は9日、19年中にもインフレ率が年率1千万%に達するとの予測を発表した。
 国連によると、15年以降、人口の約6%に当たる約200万人のベネズエラ人が国外に逃れた。
 脱出したベネズエラ人の9割がコロンビア、エクアドル、ペルー、ブラジルなどラテンアメリカの国々にいるとされ、地元住民とのあつれきや費用負担の問題が深刻になっている。
■避難の実態は「フェイク」
 マドゥロ政権は、この事態を受けて、「ベネズエラを傷つけようとする外国勢によるフェイクニュースだ」と主張。国外にいる人々に、「祖国帰還計画」として、ベネズエラ行きの航空券を用意している。
 ただ、政権への国民の不信は根強い。政権側が、野党の有力者を事実上排除して大統領選を実施するなど独裁色を強めているからだ。
 今月8日にはマドゥロ氏暗殺未遂事件への関与を疑われ、身柄を拘束された市議が、諜報(ちょうほう)機関の施設で死亡。政府は自殺と発表したが、当局に殺害された可能性も指摘されており、中南米諸国や国連などが調査を求めている。
 話を聞いた避難民の多くはマドゥロ氏の退陣を求めていた。国営石油会社で25年勤めたという男性(50)は「21歳の息子は権利を求めてデモに行き、警察に撃たれて殺された」と涙ながらに訴えた。「食料や医薬品が不足し、多くの国民が亡くなっている。豊かな国なのに子どもが餓死している。これが21世紀の社会主義の実態だ」

 

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