MY J:COM

確認・変更・お手続き

最新ニュース

お天気情報

スポーツニュース

映画

カンバーバッチが“世界を救った”実在のド素人スパイに!『クーリエ:最高機密の運び屋』が体感させる“核戦争待ったなし”の恐怖

BANGER!!! - 9月20日(月) 17時30分

写真
『クーリエ:最高機密の運び屋』© 2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

普通のセールスマン、いきなりスパイになる

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』は開始5分、まだ主演のベネディクト・カンバーバッチはチラリとも映らないのに、すでにゾクゾクがとまらない。ジョン・ル・カレ作品が引き合いに出されるのも理解できるが、そこから先はしばらくオフビートな喜劇のような演出で肩の力を抜きにかかる。カンババはもっさり中年太りな英国人セールスマンのグレヴィル・ウィンになりきり、なんだか弱気な宍戸錠みたいな雰囲気を醸し出す。

『クーリエ:最高機密の運び屋』© 2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

そうして時代を反映した大らかで享楽的なシーンを一通り描いたら、あとはピリピリした“交渉”や“密偵”のパートにズブズブと足を踏み入れていく。CIAとMI6にゲスな商人(あきんど)としてのイメージを買われたウィンは、ソ連軍情報部のオレグ・ペンコフスキーと接触しソ連の核情報を仕入れる“クーリエ=運び屋”になることを依頼されるのだ。まさにド素人スパイ誕生の瞬間である。

『クーリエ:最高機密の運び屋』© 2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

とはいえ、当然ながら素人ならではのドタバタ・スパイアクションみたいなお話ではない。最初は「核戦争があなたの家族にも悲劇をもたらす」という半ば脅しのような依頼ではあったものの、危険を承知でロンドンとモスクワを行き来したウィンとペンコフスキーは最終的に、世界が核戦争に最も近づいたと言われる1962年の“キューバ危機”を回避することに貢献した人物であり、控えめに言っても全地球を救ったスーパーヒーローなのだ。

『クーリエ:最高機密の運び屋』© 2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

スパイ活動を通して人間ドラマを描き、60年代当時恐怖を再現

スパイ劇としての緊張感は抜群だが、本作は人間ドラマとしても一級品。ペンコフスキーとの交流を通して、家族を、国を、世界を守ることができるかもしれないという使命感に徐々に突き動かされていくウィンと、同じ理由で祖国を裏切ることを選んだペンコフスキー。前者は米ソ間の緊張が高まるにつれて強烈なプレッシャーによって精神的に追い詰められ、後者は機密の漏洩を誰に密告されてもおかしくない恐怖からか体調を崩す。両者とも家族の安否が一番の気がかりであり、その視線は保ちながらも、世界、国、家族、個人というあらゆる単位でドラマが展開していく。

『クーリエ:最高機密の運び屋』© 2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

特にガチの一般人であったウィンの存在は、政治的衝突・戦争危機を身近な恐怖として感じさせるのにこれ以上ないほど貢献している。さらにペンコフスキーとの家族ぐるみの交流を丹念に描くことで、核戦争? スパイ? 現実味ないわ~みたいな層にも、この人たち感じ良いけどバレたらどうなってしまうん……きつい展開は勘弁してあげて……! と否応なく感情移入させるはず。それさえも難しいのならば、このさい中年男性たちの国境を超えた熱い友情物語として観たっていいだろう。

『クーリエ:最高機密の運び屋』© 2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

確かにスパイガジェットなどは登場するものの、蝶のように舞うわけでも蜂のように刺すわけでもなく、キリギリスに扮して蟻のように淡々と仕事をするウィンこそが、リアルなスパイの姿なのだろう。あからさまにヒロイックな描写も皆無だが、彼らの貢献がなかったら核戦争が勃発していた可能性は非常に高かったわけで、背筋がゾワ~っと薄ら寒くなる話である。なぜか自分を国家と同一化して高みから物言う輩がはびこる今こそ観ておきたい、真に国民のための偉業を成し遂げたスパイたちの実録ドラマだ。

『クーリエ:最高機密の運び屋』© 2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『クーリエ:最高機密の運び屋』は2021年9月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

 

最新の記事

掲載情報の著作権は情報提供元に帰属します。
Copyright(C)2016 JIJI PRESS LTD, All Rights Reserved./Copyright(c) Kyodo News All Rights Reserved./Copyright MANTAN Inc. All rights reserved./(C) ONGAKUSHUPPANSHA Co.,Ltd./© NANO association co.,ltd. all right reserved/(C) MOVIE Collection/© 2017 Viacom International Inc. All rights reserved./Copyright @2019 Discovery Japan, Inc. All rights reserved./Copyright © BANGER!!! All Rights Reserved. ©うたびと all rights reserved.

番組内容、放送時間などが実際の放送内容と異なる場合がございます。
番組データ提供元:IPG Inc.
ロヴィ、Rovi、Gガイド、G-GUIDE、およびGガイドロゴは米国RoviCorporationおよび/またはその関連会社の日本国内における商標または登録商標です。
このホームページに掲載している記事・写真等あらゆる素材の無断複写・転載を禁じます。