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電車のつり革、触るのは抵抗が…研究で行き着いた6の形

朝日新聞デジタル - 6月30日(火) 15時59分

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(朝日新聞デジタル)

 数字の「6」の形をした商品が、売れている。社員9人の看板製作会社・広宣(こうせん)(滋賀県草津市)の「ふっく君」。電車のつり革に触れずにつかまれる、新型コロナウイルス感染対策グッズだ。
 アクリル製で縦15センチ、横10センチ、厚さ5ミリ。カラフルな模様やイラストをあしらったものなど23種類ある。
 商品化のきっかけは、4月上旬。
 「感染が心配で、つり革を握るのも気になる」。妊娠中の妻を思いやる、男性社員のそんな一言だった。
 そのころ、草津市内の事業所で新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生。社員は電車通勤していた。持ち手にハンカチを当てる人を見かけたという。
 看板の材料のアクリル板で何か作れないか——。
 デザインを担当する杉本優子さん(48)は端切れを使い、傘の持ち手の「J」の形を逆さにしたフックを作ってみた。
 社員に帰りの電車で使ってもらったところ、持ち手に力が入らず、手が滑った。翌日、今度は「S」にした。しかし、ひねった時に中心部が割れそうになる弱点があった。杉本さんはフリーマーケットアプリ「メルカリ」で見つけたつり革を買い、研究。1週間で「6」に行き着いた。
 強度を高めるため、角をなくしすべて曲線にした。握る部分は指が3本入るようにし、定形郵便物で発送できるサイズにした。
 社員や家族に使ってもらうと、エレベーターのボタンに触れたり、2個でスーパーのカートを押したりと様々な用途が見えてきた。「便利やわぁ」「めっちゃ強いでぇ」と好評だった。
 4月末にネット販売を始めた。5月にネットニュースで取り上げられて注文が増え、すでに1200個売れた。多くは首都圏や大阪からだ。
 商品作りは手作業だ。製造担当の前野皓太さん(34)らが電動糸のこ盤を使い、一定のスピードで慎重に切る。すべて同じ形・大きさに仕上げる職人技だ。1日で105個作ったこともある。最近は注文に追いつかなくなり、レーザー加工も増えた。
 前野さんは「人が手にする商品。看板づくりと変わらぬ職人のプライドを込めています」と話す。今後、市のふるさと納税の返礼品や、オリジナルデザインの受注も検討するという。
 1個1200円(送料・税込み)。購入はホームページ(https://pylon.official.ec/)から。問い合わせは広宣(077・563・1315)へ。(筒井次郎)

 

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