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復興誓った宣誓から5年…石巻工元主将、再び被災地から紡ぐ“野球の絆”

スポニチアネックス - 3月21日(火) 8時50分

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(スポニチアネックス)

 第89回選抜高校野球大会が19日に開幕した。作新学院・添田主将の堂々とした宣誓も素晴らしかったが、5年ぶりにアマチュア野球担当に復帰した記者には忘れられない宣誓がある。東日本大震災翌年の12年3月に行われたセンバツ。被災地・宮城から21世紀枠で出場した石巻工・阿部翔人主将の宣誓だ。
 「東日本大震災から1年、日本は復興の真っ最中です。被災された方々の中には、苦しくて、心の整理がつかず、今も当時の事や亡くなられた方を忘れられず、悲しみに暮れている方がたくさんいます。人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいことです。しかし、日本がひとつになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。だからこそ、見せましょう、日本の底力、絆を。われわれ、高校球児ができること、それは全力で戦い抜き、最後まで諦めないことです。今、野球ができることに感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います」
 2分15秒の被災地への思いを込めたメッセージ。前日のリハーサルは胃腸炎のため欠席し、ぶっつけ本番で臨んだ選手宣誓だった。今、読み返しても当時被災地を取材で回った情景を思い出し、胸が熱くなる。開会式後、「不安もあったけど、楽しんだもの勝ち。100点満点です」と笑った顔が今でも思い出される。
 阿部さんは今春、進学した日体大を卒業し、4月から石巻高の講師として再び宮城に戻る。当時の石巻工の松本嘉次監督は現在、宮城県高野連副理事長(仙台工野球部副部長)として甲子園を訪れている。松本副理事長は「開会式を見ていると、5年前だけど昨日のことのように思い出す。あそこ(のグラウンド)で話すのは凄い度胸ですよ」と当時を懐かしそうに振り返った。そして野球の指導者を志す阿部さんについても「(母校の監督として)戻れたらいいけどね。今の楽しみはそれしかないね。教え子が監督になってくれたらうれしいですよ」と期待する。
 12年センバツでは強豪・神村学園を相手に0―4の5回に一挙5得点して逆転。最後は5―9で敗れたが「あきらめない街、石巻 その力に俺たちはなる」の言葉を体現した。「復興のシンボル」として躍動した12年春。今度は松本副理事長の教えを受けた阿部さんが、再び石巻でその精神を引き継いでいく。(記者コラム・東尾 洋樹)

 

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