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松本城が耐震補強へ 天守の一部で大地震時の耐震性足りず

THE PAGE - 5月20日(土) 10時10分

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(THE PAGE)

 国宝松本城(長野県松本市)の耐震性に問題があることが分かり松本市は17日、耐震対策や避難誘導計画に着手したことを明らかにしました。耐震工事は数年かかると見られ、この間、万一の場合の対策が焦点。当面、来場者には地震発生時の落ち着いた行動を呼び掛け、避難や規制などの具体策の検討を急ぎます。城を支える石垣も一部は老朽化の影響が出ており、耐震・安全対策は大掛かりになる可能性もあります。

耐震工事は数年かかる見通し

 松本市がホームページなどで公表した「国宝松本城天守の耐震診断結果についてのお知らせ」によると、診断結果は「大地震動時の倒壊危険性、および中地震動時の非倒壊」との判定で「松本城天守の一部は震度6強から7の大地震動時の耐震性能が不足していることが判明した」としています。

 同市は「ただちに耐震対策や避難誘導計画の策定などに着手した」としていますが、耐震工事は数年かかるとの見通しも示しており、この間の松本城の管理と運営が課題に。耐震工事中の公開をこれまで通り行うのか、何らかの規制が必要かなどが問題になってきます。

 松本城管理事務所は診断結果などを説明した掲示板を同日から松本城の入り口に掲げ、「地震発生時には係員の指示に従い、落ち着いて行動するように」と呼び掛けています。

2014年度から耐震診断していた

 同事務所などによると、2011(平成23)年6月の長野県中部地震で震度5強の際は松本城の天守の壁にひびが入り、石垣の一部が破損して崩落のおそれも生じました。さらに2016年4月の熊本地震で熊本城が大きな被害を受けたため、松本城の耐震対策に市民らの関心が高まっていました。

 松本城の耐震診断は2014年度から3年かけて大天守、月見櫓(つきみやぐら)など5棟で構成する「天守5棟」で実施。耐震補強が必要な場合は補強案を作ることにしていました。

 今回、耐震補強が必要になったため、市は文化庁や専門家などと相談しながら対策を決め、工事を急ぎます。同時に見学の観光客らの安全対策が大きな問題になり、避難誘導計画の策定や展示の見直し、規制の是非などの検討が迫られます。

石垣の修理や安全対策も

 建造物とともに、土台となる石垣の安全対策も重要で、同事務所によると天守台の石垣はこれまでの詳細測量の結果、崩落のおそれは高くないものの「部分的に(膨らみや緩みなどの)変状が確認されている」状態。積み石のすき間を埋める「間詰石」(まづめいし)の補充などで変状の進行を抑えることも検討しています。

 劣化や樹木の影響で崩落のおそれがある本丸北側の石垣の修理は2年前から着手していますが、全長130メートルを越える石垣のため「10年ほどの期間を必要とする工事になる」。長年の劣化や変形など地震時の被害につながる問題が各所に潜在しているとも言え、対策は広範になる可能性もあります。

 松本城管理事務所によると、松本城は戦国時代の永正年間に作られた深志城に始まり、現存する天守閣は国宝。
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■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説

 

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