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豊洲地下水、再調査で基準100倍ベンゼン 平田座長「安全確保は可能」

THE PAGE - 3月20日(月) 1時10分

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(THE PAGE)

 東京・豊洲市場の安全性などを検証する専門家会議の第5回目の会合が19日、築地市場で開かれ、環境基準値を超える有害物質が検出された前回の地下水調査を受けて行われた追加調査が公表された。その結果、基準100倍のベンゼンが検出された地点や、シアン、ヒ素が検出された地点も。平田健正座長(放送大学和歌山学習センター所長)は「地上と地下は別」との見解を示したが、市場関係者からは、豊洲市場は消費者から「安心」が得られないのではと悲観する声が相次いだ。

市場関係者「消費者の安心得られない」

 追加調査では、1月30日から2月22日に27地点の井戸の採水を専門家会議のメンバー立会いのもとで実施。期間中、採水は各地点で2回、ポンプが入らないなどのトラブルがあった場合は1回行った。分析は、環境管理センター、ユーロフィン日本環境、湘南分析センター、東京都環境科学研究所の4団体で実施した。

 前回9回目の調査で基準値(0.01mg/l)の79倍のベンゼンが検出された地点では、4団体の分析結果が0.8〜1.0mg/lの範囲にあった。駒井武委員(東北大学大学院環境科学研究科教授)は「4者の分析結果が非常に一致している」として4団体のデータのばらつきは小さいとの見方を示した。

 27地点中、1団体以上が基準値を超える分析結果を示した地点はベンゼンが19地点、シアン18地点、ヒ素は基準値の3.6倍の地点を含む5地点。いずれも、9回目調査で同じ有害物質が基準値を超えていた地点だった。

 専門家会議では協議の結果、暫定値としていた9回目の調査結果は妥当であり、正式な値とすると結論づけた。濃度が急上昇した原因としては、2016年8〜9月に稼働を開始した地下水管理システムにより、土壌に残存していた有害物質を含む水が移動した可能性や、土壌中の油分から有害物質が溶け出た可能性を指摘。2008年2〜4月の調査で高濃度の地下水汚染が検出された地点の分布と相関性があるため、土壌汚染対策後も局所的に汚染が残っていた可能性も考えられるとした。

 会議中、平田座長は安全性について、再三「地上と地下を分けて評価をしたい」と強調。地上は建物の1階などで大気測定を行なっているが、問題となる値は出ていないという。地下については今後、地下水の追加調査を行なった地点の調査を継続。平田座長は「(豊洲市場内にある)揚水システムを用いて浄化していくことになるだろう」との見方を示した。地下ピットは、換気など地下から揮発する有害物質対策を検討する。

 平田座長は「地下水対策をすれば、将来環境基準を満たすことができる」として「安全」は確保可能との見方を示す。一方、市場関係者からは、「豊洲だったら魚を買いたいね、というお客様が集まるなら行きたい。だが、お客様が買ってくれないとなったら行きたくともいけない」「地上と地下を分けて考えるというが、一般消費者は絶対分けてくれない」と、豊洲市場の「安心」について悲観的な声が相次いだ。

 専門家会議の議論は、豊洲市場に移転するか否かの判断を大きく左右する。当初、小池百合子都知事に提出する報告書の取りまとめ時期は4月の見込みだったが、平田座長は「1月審議すべき議論を今日やっている。それだけでも2か月遅れている」と述べ、6月以降になる公算が大きいとみられる。

(取材・文:具志堅浩二)

 

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