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『王様のためのホログラム』トム・ハンクス インタビュー

MOVIE Collection[ムビコレ] - 2月16日(木)

『王様のためのホログラム』トム・ハンクス インタビュー
トム・ティクヴァ監督は新しい顔ぶれとは仕事をしない

『王様のためのホログラム』
2017年2月10日より全国公開中
(C)2016 HOLOGRAM FOR THE KING LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

ベストセラー作家・デイヴ・エガーズの小説を映画化し、2度のオスカーに輝く名優トム・ハンクスが主演した『王様のためのホログラム』が公開中だ。

大手自転車メーカーの取締役が、業績悪化の責任をとらされ解任された上、車も家も家族も失ってしまう……。転職後、アラビアの国王に最先端の映像装置“3Dホログラム”を売りに行くこととなった主人公が、無理なミッションとハプニングの嵐に翻弄されるなかで幸せの意味を再発見していく様子に温かな感動がこみ上げる。

デイヴ・エガーズ作品への出演を熱望していたというハンクスに、映画の見どころなどを聞いた。


──『クラウド アトラス』(※)でもタッグを組んだ鬼才トム・ティクヴァ監督の作品ですね。(※トム・ティクヴァとラナ&アンディ・ウォシャウスキー姉妹監督とで共同監督)

『王様のためのホログラム』撮影中の様子/トム・ティクヴァ監督(左)とトム・ハンクス(右)
(C)2016 HOLOGRAM FOR THE KING LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

ハンクス:おかしなことなんだけど、トム(・ティクヴァ監督)のことを今でも「『ラン・ローラ・ラン』を手がけた監督」として見ているんだ。あれは構成がすばらしいね。過去に2つの作品で一緒に仕事をしたんだけど、作品のあらゆるところで構成のルーツを『ラン・ローラ・ラン』に見て取れるんだ。もちろん『王様のためのホログラム』と『クラウド アトラス』は違った種類の作品だけど。『クラウド アトラス』ではトムと一緒に仕事をする時間が少なく、どちらかというと、ラナとアンディ(・ウォシャウスキー)と仕事をする時間が多かった。でもトムと一緒の時に、「ああ、なるほど。『ラン・ローラ・ラン』の疑問が解消されたよ」って言ったんだ。彼の仕事の進め方がわかった。それはこういうやり方なんだ。まず、みんなで集まって時間の許す限り、本来ならば撮影すべきなんだろうけど、とことん話し合う。例えば今日集まったとしたら、ヘアメイクやら衣装やらあらゆることをね。どういった作品を撮るのか、作品の意味や撮影のしかたを1時間半くらいかけて話し合う。そうすると、そのシーンの撮影は20分くらいで終わっちゃうんだ(笑)。 
 よくあることだけど、現場に到着すると、1時間半の撮影を開始するまでに7分くらいかかる。撮影しながら、僕たちは色々な方法を試さないといけない。トムのやり方は違うんだ。トムの場合は、そのシーンの詳細まで話し合ってから撮影に移る。この実験的なやり方には、一切お金はかからない。時間はかかるけどね。トムはきっと作品ごとに一喜一憂する製作者だと思う。
 多くの監督は脚本家としてこの業界に入り、それから映画製作に進んでいるから、苦い経験をしてきている。映画製作者の多くは、過去に編集をやっていたりするから、映画の細々としたことに詳しいし、カメラマンだった者は、映画を映像のとても細かな区切りで扱って、ひとつの映画として仕上げている。トムは以前、映写技師をしていた。ベルリンにある映画館の映写技師だった。彼が上映する映画は好評で、客が長蛇の列を作るくらいだったんだ。立ち見限定で、深夜2時から上映される無名の映画のチケットが売り切れるくらいだったらしいよ。トムがまだ駆け出しだった頃は、映画に活気があったんだ。だから、彼の映画製作の道は決して苦い思い出ではなかった。誰かがしくじった脚本を書き直すわけじゃないから怒ることもない。彼は映画にまつわる全てをひとつのものとして捉え、その大部分を愛している。嫌いな部分は少ししかない。トムは映画館で働く映写技師だったがゆえに、自分の大好きな、すばらしい作品しか見ていないからね。決まった作品の映画フィルムの容器がいつも手元にあったって言ってたよ(笑)。リールが身近にあるから、客が帰って、朝4時頃になると、『2001年宇宙の旅』やラオール・ウォルシュの映画なんかを上映して、友人たちとビールを飲みピザを食べながら日が昇るまで見ていたそうだ。
 だからトムは映画の全体像を見る映画製作者なんだ。細かな部分に気を配るタイプじゃない。僕は彼と作品について話したり、リハーサルしたり、脚本をリライトしたり、それに撮影をしている時も、いつでも彼が頭の中に映画の全体像を描いているという信頼感を持っている。「頼むから、この15分をがんばって耐えてくれ。そうすれば終わりだ」なんてタイプとは正反対だよ。
 僕たちは年も近い。僕の方がちょっと年上だけどね。作品に対するアプローチが似ているんだ。「この作品をやれるなんて最高じゃないか」、「作品について話し合うのって楽しいよな」、「ゼロから作った作品が最後にはおいしいご馳走になるんだ」って感じでね。

──ティクヴァ監督は、ずっと同じスタッフとお仕事していますね。

ハンクス:トムは新しい顔ぶれと仕事をしない。彼の撮影監督も昔、町の映画館で映写技師をしていたんだ。何か意味があるんだろうね。僕が思うに、ベルリンと映画業界はトムの人生の一部で、永遠に卒業できない大学院過程みたいなものなんじゃないかな(笑)。だって、みんな年を取っていってるのに、あいも変わらず映画を作り続けている。彼らの映画の作り方には無駄がない。無駄な労力は使わないんだ。たくさんの作品をばら撒かないしね。例えば今回の『王様のためのホログラム』だって、多大な撮影術が必要に見えるけど、小規模なグループで作られているんだ。
 彼らはまるでちょっとした家族みたいなものだよ。いつもドイツ語で話しているから何を言っているのか分からないんだけど。だから質問はしないんだ。長年一緒に組んできたスタッフたちは何でもやる。監督にベストショットを届けるためならどこにだって行くよ。一方でトムも、仲間たちは自分を失望させることがない、と信頼している。

(2017/02/16)
 
トム・ハンクス
Tom Hanks

1956年7月9日生まれ、アメリカ、カリフォルニア州出身。俳優として数々の受賞歴を持つだけでなく、プロデューサー、監督としても活躍。ジョナサン・デミ監督の『フィラデルフィア』(93年)、ロバート・ゼメキス監督の『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94年)で2年連続アカデミー賞を受賞し、ペニー・マーシャル監督の『ビッグ』(88年)、スティーヴン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』(98年)、ゼメキス監督の『キャスト・アウェイ』(00年)で同賞にノミネートされる。

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