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北朝鮮情勢緊迫で注目される「金」 購入しやすいコモディティーETFとは?

THE PAGE - 4月21日(金) 11時30分

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(THE PAGE)

 今年の初めを100とすると、4月13日時点でニューヨーク商品取引所の金価格は年初から10.8%上昇し1285.9ドルになっており、東京商品取引所の金価格は3.7%上昇して4493円となっている。
 このところの値上がりは、北朝鮮の弾道ミサイル発射や核開発などに対してトランプ大統領が軍事介入も辞さないという強い姿勢を見せ、投資家の間で地政学的リスクが高まっているためだ。米国債価格も上昇しており、有事の金や債券買いが活発になっている。分散投資の選択肢のひとつとして、検討しておきたい「金」をはじめとした手軽にできる商品投資について、コモディティーインテリジェンスの近藤雅世さんが解説します。

そもそも「金」はどうやって購入するの?

 「金」を買うにはいくつかの方法がある。銀座の田中貴金属や徳力、石福の店頭で金の延べ棒を買う方法、香港の金商「周大福」で24金の宝飾品を買う方法、三越など百貨店の宝石売り場で18金のネックレスを買う方法は、金の「現物投資」である。これらの方法の良いところは、いざというときに財産を身に着けて移動することができるという点である。そのかわり、以下に述べる商品先物やETFに比べて金を買う手数料が多くかかっているという点がデメリットとなる。田中貴金属は売買の価格差を約2%取っている。これは手数料であり、香港や中国の銀行で金を売るときは買うときより安めの価格になっている。また、宝飾品に加工するための加工賃がかかっている。さらに、金の現物は保管する手続きが必要であり、銀行や倉庫業者の貸金庫に預ける場合保管料がかかり、自宅で保管すると盗難リスクがある。

 純金積み立ての場合でも売買スプレッドがあり、売るときの価格は買うときの価格より約2%安くなっている。純金積み立てでは保管料はかからないが、積み立て先の信用リスクがある。

 商品先物取引所で購入する金の先物取引は売買同値であり、売買するときの手数料は、金の代金に比べればわずかなものである。ただ、先物取引は証拠金取引でありかつ標準取引では限月という取引期限があり、金の場合は通常1年先物の取引となる。ただ、金スポット取引というものは限月がないので為替証拠金取引同様いつまで保有しても構わない。ただし預け入れた証拠金以上の評価損失が発生すると証拠金を積み増す必要がある。先物取引は証拠金取引なので、レバレッジがかかっている。売りからでも買いからでも取引をすることができ、少ない資金で大きな取引をすることができるが、価格変動によっては大きな損失が発生することのあるハイリスク、ハイリターンな取引である 

「金」などの商品取引をより身近にしたETF

 金を買う手軽な方法としてETFがある。Exchang Traded Fundの略であり日本語では上場投資信託と言う。その特徴は以下となる。

  1. 証券会社に証券口座さえ持っていればいつでも売買することができる。

  2. 購入単価が安い。

  3. 売買手数料が通常の投資信託と比べて安い。

  4. ETFの発行各社によって異なるが、金の裏付けがあるものとないものがある。金現物との交換は大口に限定されていることが多いので、交換できないと思っておいた方が良いだろう。

  5. 市場が開いている時間帯はいつでも売買できる。海外のETFの場合だと海外の市場が開いている時間帯となる。

  6. 空売りをするには信用取引口座の開設が必要となる。

  7. 投資信託なので、売買手数料は安いが、毎年約0.3%前後の信託報酬を払う必要がある。売却時に一括して払うと長期保有していたときのコストはかなり高くなる。

 少ない資金で、手軽に証券会社で商品投資を行うことができる点がメリットであるが、信託報酬手数料が毎年かかるため長期投資に向いていない点がデメリットとなる。

「金」以外にもいろいろ 商社なども利用しているETF取引

 ロンドンの証券取引所には156種類のコモディティーETFが上場されており、豚肉やコーヒーなどほとんどすべての商品についてETFで取引が可能である。日本でも2008年頃からかなり多くの商品ETFが上場されており、金やプラチナ、原油など多数。証券会社によって扱っている商品が異なる。

 実は東京商品取引所の大口取引として野村證券の海外支店からの原油ETFのヘッジ取引がある。野村證券は、売買するETFのヘッジを東京商品取引所で行っている。

 海外では債券投資なども実際に債券を買うのではなく、ETFを通じて間接的に行うことが多い。商品価格の変動は株価の変動とは関連がなく、為替とも逆相関になりやすいため、為替取引をしながら商品投資をするということも、リスクの分散となる。

 World Gold Council(WGC)のレポートによれば、金現物の裏付けのあるETFは2017年3月末2251.8トン(1トンは約44億円)になった。第1四半期だけで109トンの増加で、ことに欧州で金のETFが売れており、英国が18.3トン増の94.12トン、北米が11.6トン増の1195.9トンだった。年初から欧州での金ETFの購入が盛んになっているという。アジアは変わらずの67.7トンで、アジア地域ではETFよりも金の現物を好むようである。

 WGCの投資調査部門長は欧州のETF需要は長く続くと見ており、大統領選を前にしたフランスや、9月に総選挙を控えるドイツにおいて金ETFの購入意欲は強い。欧州での金利が安いことも金を買うインセンティブとなっているという。
 どんな商品をいつ買ったり売ったりしたらよいかということは、一言では言えない。また毎日状況は変わる。ただ私は経験的に為替の予測をするよりは商品価格の予測の方がはるかに簡単だと思っている。金以外はだいたい需要と供給の関係で価格が決まるためで、それぞれの銘柄の需給の情報は複数の公共機関から少なくとも月に一度は出ている。コストはかかるが、Thomson ReutersやBlommdbergの端末を利用すれば毎日多数の情報を入手できる。英文が多いがネットが可能だ。

(株式会社コモディティーインテリジェンス(http://commi.cc/index.html) 近藤雅世)
 東京商品取引所の運営するhttps://tocomsquaretv.com/(毎週月曜日午後8時〜)の解説者として出演中。

 

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